沿岸を探る技術 |
■ 沿岸域の探査情報の統合化
沿岸域は大都市や工場群が立地するなど経済的にも生活的にも重要であるにも関わらず,その基盤となる物理探査情報は必ずしも完備されているとはいえないのが現状です。
従来、海域と陸域では調査に用いる手法が異なりますが,沿岸域では更に条件が限られており、ベイケーブルによる反射法探査や電気探査と重力・磁力データを組み合わせるなど,陸域と海域のデータ統合を図る必要性が研究機関により示唆されています。現在公開されている沿岸域のデータは,複数の機関により個別に管理され、円滑な相互運用システムの構築が期待されています。
この課題を解決するため、データを公開している各機関のメタデータを統合公開する手法を作成しました。異なる種類のデータ統合化のため,メタデータレベルでの統合化による検索・活用・管理の効率化にも貢献できると考えます。
■ 航跡図や海底地形図など紙図面のデジタル化
さまざまな種類のデータを統合公開するためには、測量図面など紙媒体で保存されたデータの電子化が出発点となります。当社は、海底地形図や地質図および物理探査船の航跡図などの紙図面を電子化し必要なデータを抽出してベクトル化する業務に実績があります。
ベクトルデータの品質管理:
- 図面により異なる書式に即したデータ読取りと統一書式での保存
- 基図面の経年変化等に起因する歪み補正
- 投影図法変換
- 日本測地系に起因する歪み補正変換
■ メタデータの統合公開システム構築
沿岸域メタデータの統合公開システムを、独立行政法人産業技術総合研究所(以下、産総研)より委託を受け構築しました。産総研・海上保安庁及び国土地理院が所有する地質図等のメタデータおよび航跡図を電子データベース化し、海から陸にまたがる地質関連の情報を相互利用できるよう、共通のWEB画面でのデータの検索およびダウンロードを可能とするシステムです。